電気自動車の制御システム

電気自動車の制御システムの詳細

自動車は、誕生当初は蒸気タービンに近いものだったと思います。その後は原油を活用する市場が発達してガソリンエンジンに、そして、今は電気制御システムになろうとする過渡期でしょうか。ハイブリッド車はその間隙を縫って登場した優れものとレビュワーは考えています。本著、全6章に分かれて各々が完結する読み物になっているのが素晴らしいと思います。第3章で「倒立振り子モデル」が登場するのは、ちょっと各論に入り過ぎじゃないかと思えなくもないのですが。。圧巻は第6章のPWM制御の解説です。PM同期モータのセンサーレス制御の解説まで踏み込んでいる点、レビュワー感慨深いものを感じます。ちょうど10年前にセンサーレス制御の迷路に嵌りこんで頭を抱えていたころの事を懐かしく思い出しました。電気自動車を知るためだけが目的ではなく、寧ろ電気自動車を題材にした良質の技術書とも見ることができて、各々の技術・知識レベルに応じて、基礎も応用も学びの多い一冊と思います。一読お勧めいたします。