地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」 (講談社現代新書)

地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」 (講談社現代新書)の詳細

事実を淡々と書き連ねる形式であるが、その「事実」とされる資料などの引用が脚注を振って詳細に示されておらず、もう少し納得感が欲しい。取材対象が偏っているのも気になる。この「事実」のような反省すべき状況に至ったのにも、必ず経緯や理由があるのに、そこに踏み込んでない。サブタイトルに「事実」という語を使用している以上、事実関係やそこに至った経緯(特に政府側の視点に立って)をより明確にすべきであった。そこまでして「事実」と名乗れると思う。このままでは、自分たちだけの目線で、都合の悪い箇所はボカして伝えるという為政者側のやり方とあまり変わらない。また、結局、その「事実」を踏まえて筆者は何を伝えたかったのかが弱い上、政府は結局、どうすれば良かったのかの対案はなく、不完全燃焼気味であった。結局、この悲劇を忘れてはいけない、、、ただ、それだけ？